骨粗しょう症|おおぐち通り整形外科|大口駅西口より徒歩6分 子安駅改札口より徒歩5分 大口通商店街

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骨粗しょう症

骨粗しょう症について

骨折のリスクが上昇

骨粗しょう症は、加齢などが原因となって骨の密度が減少、つまり骨の隙間が増えてもろくなり、わずかな衝撃によって骨折するような危険が高まってしまう疾患です。

人の骨は常に新陳代謝を繰り返しており、古い骨は破骨(はこつ)細胞により吸収され、骨芽(こつが)細胞により形成される新しい骨で補充されています。骨組織はこの、骨リモデリングと呼ばれるサイクルによって、骨組織の劣化が修復され、強度が維持されていきます。

骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20~30歳頃の若年期をピークに、年を重ねるとともに次第に減少していきます。この骨密度が減少をきたすことによって骨粗しょう症と言われる状態になり、背骨が体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折するといった事態を引き起こしがちになります。若年期に充分な栄養が得られず、高い骨密度が得られなかった場合は、より早期に骨粗しょう症になるリスクが高まります。

骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量(骨密度)は、20~30歳頃の若年期をピークに、年を重ねるとともに次第に減少していきます。この骨密度が減少をきたすことによって骨粗しょう症と言われる状態になり、背骨が体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折をきたしたり、ちょっとした転倒で骨折するといった事態を引き起こしがちになります。若年期に充分な栄養が得られず、高い骨密度が得られなかった場合は、より早期に骨粗しょう症になるリスクが高まります。

女性に多い骨粗しょう症

骨粗しょう症は、高齢の女性を中心に、年々増加しています。日本における40歳以上の患者数は約1,280万人(男性300万人、女性980万人)いると推計されています(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」2015年版より)。

骨粗しょう症の骨折については、背骨(椎体)の骨折が起こりやすい状態となります。背骨が骨折すると、身長が縮んだり背中が曲がってきたりして、生活の質も落ちてきます。さらに骨粗しょう症は、寝たきりの状態につながりやすい大腿骨近位部骨折も発生しやすく、わが国での発生数は2007年に14万8100人(男性3万1300人、女性11万6800人)で、その発生率は過去20年間上昇しつづけています。

骨粗しょう症の患者様は、その8割程度を女性が占めており、閉経後、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下する更年期以降には特に増加する傾向にあります。
女性ホルモンの分泌量が減少してきますと、骨吸収のスピードが骨形成のそれを上回るようになり、骨リモデリングがうまく機能しなくなることで、骨がもろくなってしまうのです。そのため、閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し始め、70歳以上になると2人に1人が骨粗しょう症になっていると言われています。そのため50歳を迎える前の女性にはぜひ一度、骨粗しょう症の精密検査を受けておくことをおすすめいたします。

骨粗しょう症の検査

骨粗しょう症の診断には、医療面接、身長所見・測定、骨密度の測定、脊椎エックス線検査、血液・尿検査などが行われます。

身長所見・測定

自己申告の最大身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。25歳時より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折する危険性が2倍以上高いという報告があります。その他、脊柱の変形や歯の数の減少のほか、身長低下、視力低下、歩行に支障があるような転倒の危険因子がないかどうかを確認します。

医療面接

骨粗しょう症に起因する骨折の有無や症状、危険因子(骨粗しょう症になりやすい生活習慣や病気)の有無を確かめ、診断に役立てます。具体的には両親に骨粗しょう症が原因となっている骨折がないか、現在の喫煙、飲酒の状況、関節リウマチや糖尿病・慢性腎臓病(CKD)の病歴などを確かめさせていただく場合があります。

DXA法による骨密度の測定

骨粗しょう症の診断において、骨の強度を判定する際の重要な基準のひとつとして「骨密度」があります。特に腰椎および大腿骨近位部の測定を行うことが望ましいとされています。

当院では、骨密度の測定を正確に行うことができるDXA(デキサ)法による骨密度の測定を行っております。DXA法(dual-energy X-ray absorptiometry:二重エネルギーX線吸収測定法)は、高低2種類のX線を測定部位に照射することにより、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を調べる測定法です。この方法では、骨量を単位面積で割った値で算出し、骨密度として表します。

測定する骨は、主に腰椎(腰の骨)、大腿骨近位部(太ももの付け根部分の骨)などです。短い測定時間で済むうえ誤差が小さく、放射線の被爆量も少ないため、安全性に優れるというメリットがあります。

このためDXA法は現在、骨量測定における標準的な検査法として重視され、骨粗しょう症の精密検査や、治療の経過観察、また骨折の危険性予測において非常に有用です。『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会)でも、DXA法を用いた計測が推奨されています。

エックス線検査

主に背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形が無いか、また「骨粗しょう化」の有無(骨が粗く隙間だらけになっていないか)を確認します。骨粗しょう症と他の疾患とを判別するのに必要な検査です。

血液・尿検査

骨代謝マーカーを調べることにより、骨の新陳代謝の速度がわかります。骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人は骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず、骨折の危険性が高くなっています。

骨粗しょう症の予防と治療

骨粗しょう症の原因のうち、年齢や性別、遺伝的な体質などは変えることができませんが、変えることのできる要素、つまり食生活や運動などの生活習慣を見直すことにより、予防と改善が可能です。

食事療法

骨粗しょう症の治療や予防に必要な栄養素は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、および骨リモデリングに必要なビタミンD・Kなどです。これらの栄養素を若年期にしっかりと摂取し、できる限り高い最大骨量を獲得しておくことが、発症予防につながると考えられています。

カルシウムは食品として700~800mg/日、ビタミンDは400~800IU/日、ビタミンKは250~300μg/日を摂取することが推奨されています。これらの栄養素を積極的に摂りながら、しかもバランスの良い食生活を送ることが大切です。

骨粗しょう症の人が避けるべき食品は特にありませんが、リン(インスタント食品、スナック菓子、炭酸飲料、練り物などの加工食品に多く含まれます)やカフェイン、アルコールなどの摂り過ぎには注意しましょう。過度のアルコールは、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からのカルシウムの排泄量を増やしたりします。コーヒーなどに含まれるカフェインもまた、カルシウムの排泄を促進します。リンを摂り過ぎると、血液中のカルシウムとリンのバランスを保とうとして骨の中のカルシウムが血液中に放出されてしまい、骨密度の減少につながります。

積極的に摂りたい栄養素を多く含む食品

カルシウム
牛乳、チーズ、干しえび、しらす、ひじき、わかさぎ、いわしの丸干し、えんどう豆、小松菜、モロヘイヤ など
たんぱく質
肉類、魚類、卵、乳製品、大豆 など
ビタミンD
アンコウの肝、しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎの蒲焼き、きくらげ、煮干し、干ししいたけ など
ビタミンK
納豆、抹茶、パセリ、しそ、モロヘイヤ、しゅんぎく、おかひじき、小松菜、ほうれん草、菜の花、かいわれ大根、にら など

運動療法

骨密度は、運動をして負荷をかけると増えていきます。さらに、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの運動で筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが少なくなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗しょう症の治療には効果的です。

骨量を増やすには、激しい運動をする必要はありません。散歩程度の軽度~ジョギングなどの中程度の運動を毎日、あるいは週に数回でも十分ですので、とにかく長く続けることが大切です。少しでも運動量を増やそうとする心がけが重要となります。

薬物療法

病状が進んだケースでは、食事療法や運動療法に併せて薬物療法を開始します。現在、使われている薬には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」、骨の形成(新しい骨を作る)を助ける「骨形成促進剤」、骨の栄養素である各種ビタミン(D、K)剤などがあります。また、腰や背中などに痛みがある場合は、痛みを取る薬も用いられます。どんな薬を選び、いつから治療を開始するかについては、個々の患者様の年齢や症状の進み具合などを考え合わせながら、医師が判断します。

現在、治療に用いられている薬には、主に以下のようなものがあります。

カルシウム薬

カルシウム摂取不足が骨粗しょう症の症状に影響を与えている場合、カルシウム薬の効果が期待できます。骨折リスクを低下させる効果までは認められませんが、わずかに骨密度上昇効果が認められています。

女性ホルモン薬(エストロゲン)

女性ホルモンの減少に起因する骨粗しょう症に有効です。閉経期のさまざまな更年期症状を軽くし、併せて骨粗しょう症を治療する目的で用いられます。

ビスホスホネート薬

破骨細胞の骨吸収機能を抑制することによって骨形成を促し、骨密度を増やします。骨粗しょう症の治療薬のなかでも有効性の高い薬です。ビスホスホネートは腸で吸収され、すぐに骨に届きます。そして破骨細胞に作用し、過剰な骨吸収を抑制するのです。骨吸収が緩やかになると、骨形成が追いついて、密度の高い骨ができ上がります。

SERM(サーム:塩酸ラロキシフェン)

骨に対しては、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があり、骨密度を増加させますが、骨以外の臓器(乳房や子宮など)には影響を与えません。

テリパラチド(副甲状腺ホルモン薬)

骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減少させる薬です。専用キットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回医療機関で注射する薬があります。複数個所に骨折が起こっている、骨密度が著しく減少しているなど、重症の患者さんに用いられます。

活性型ビタミンD

カルシウムの腸管からの吸収を増やす働きがあります。また、骨形成と骨吸収のバランスも調整します。

ビタミンK

カルシウムが骨に沈着する際に必要になるたんぱく質を活性化させる働きがあるため、骨の質を改善します。骨折を減らす効果が認められています。

カルシトニン製剤

骨吸収を抑制する作用があり、強い鎮痛作用も認められています。骨粗しょう症に伴う背中や腰の痛みに用いられます。

抗RANKLモノクローナル抗体

破骨細胞は、骨芽細胞と結合することによって骨を壊す細胞になります。この結合する部分(RANKL)をブロックすれば、結合することができなくなるため、骨は壊れなくなります。このようにして骨が溶け出していく過程が遮断され、骨粗しょう症を治療することができると考えられています。
なお、この薬の特徴は、6ヶ月に1回の皮下注射で良い点です(6ヶ月製剤)。ただし、血中のカルシウム濃度が下がりがちなため、ビタミンD製剤やカルシウム製剤を毎日服用していただくようになります。